理容師の仕事内容とは?美容師との違いや給料、資格の難易度を徹底解説!

OVERVIEW
INDEX
目次
  • 理容師とは
  • 理容師と美容師の違い
  • 理容師と美容師のダブルライセンスについて
  • 理容師の就職先
  • 理容師の年収
  • 理容師の現状と今後の需要は?
  • 理容師国家試験の合格率は?難易度は高い?
  • 理容師になるには?
  • 理容師国家試験について
  • 理容師国家試験の過去問
  • 理容師国家試験の過去問演習には過去問研究所@Candyzがおすすめ!
  • 理容師国家資格まとめ

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理容師と美容師はともにお客様の髪の毛を扱い、カットやヘアセットなどの専門技術でお客様に喜んでいただける素晴らしい仕事です。

理容師と美容師は、厳密には業務の範囲が異なり、特に理容師ではシェービング(顔そり)の施術を行えることが特徴です。

本記事では、理容師の仕事や美容師との比較、理容師国家試験の内容などについて、徹底的に解説していきます。

理容師とは

理容師は、理容師法で「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることを業とする者」と定められています。

参考:理容師法第1条の2の1、2

ヘアカット、ヘアセット、カラーリングやパーマも理容業務の範囲です。

シェービング(顔そり)は理容師のみが行える技術です。カミソリを用いて、主に男性特有の髭、顔の産毛などをそり、お客様の身だしなみや清潔感を保つお手伝いをします。

美容師と理容師は、業務内容が似ていたり、同じ場所で働いたりすることも多く、違いを明確に理解できていないという方も多いのではないでしょうか。

理容師と美容師の違いについて詳しくみていきましょう。

理容師と美容師の違い

理容師と美容師の違いについて、以下の項目に沿って解説していきます。

業務範囲の違い
国家試験受験資格の違い
試験範囲の違い

業務範囲の違い

理容師と美容師では、業務できる範囲が異なります。

最も大きな違いは、理容師は業務として顔そりや髭そりが行えますが、美容師は行えないということです。

また、理容師の業務の目的は「容姿を整えること」、美容師は「容姿を美しくすること」にあります。

理容師は理容師法で、美容師は美容師法で定められる国家資格であり、それぞれの業務内容は以下のように定められています。

理容師法第1条の2の1
「この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。」
 
美容師法第2条の1
「この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。」

厚生労働省の「理容師法概要」によると、顔そりや刈り込みに加えて、パーマやカラーリングも利用の範囲に含まれるとされています。

実務的には仕上げとしてのヘアセットも業務に含まれるため、美容師と共通する部分が多いことも事実です。

国家試験受験資格の違い

理容師・美容師になるには、美容師・理容師養成施設を卒業後、国家試験に合格し、免許申請を行い、免許を得るという流れを踏みます。

理容師になる場合は、厚生労働省令で定められる養成施設の理容師課程、美容師になる場合は美容師課程を修了する必要があります。

理容師・美容師ともに、養成施設で学ぶ期間は、昼間課程・夜間課程2年以上通信課程3年以上です。

中には、理容師課程がない(美容師課程のみの)施設も多いため、入学前には必ず確認しましょう。

試験範囲の違い

理容師と美容師は、国家試験の内容に違いがあります。

具体的には、筆記試験5分野のうち1分野の出題内容と、実技試験の内容が異なります。

理容師・美容師共通で出題される分野は以下の4つです。

  • 関連法規・制度及び運営管理
  • 衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
  • 保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
  • 香粧品化学

これらに加えて、理容師試験では「文化論及び理容技術理論」、美容師試験では「文化論及び美容技術理論」が出題されます。

参考:新制度による筆記試験実施要領|公益財産法人理容師美容師試験研修センター

それぞれの課目の試験内容については、後段の理容師国家試験についてで詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。

美容師試験について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

理容師と美容師のダブルライセンスについて

理容師と美容師のダブルライセンスを取得することも可能です。

平成30年度には、理容師法と美容師法が改正され、ダブルライセンスが取得しやすくなりました。

従来は、ダブルライセンスを取得するには、昼間・夜間課程であれば理容課程と美容課程を2年ずつ、合計4年間学ぶ必要がありました。

しかし法改正により、どちらかの免許を取得済みの場合は、もう一方の課程を学ぶ際に重複する履修課目が免除され、短期間で2つ目の資格を取得できるようになりました。

昼間・夜間通学課程の場合は2年→1年、通信課程の場合は3年→1.5年

参考:Q&A|公益財団法人 理容美容教育センター

ダブルライセンスの取得方法

昼間・夜間通学課程であれば、2年間で理容師免許取得→1年間で美容師免許取得と、3年間でダブルライセンスを取得することができます。

また、養成学校によっては、昼間・夜間課程の途中でもう一方の資格の通信課程に入学し、トータル2.5年でダブルライセンスを取得できるところもあるようです。

ダブルライセンスを取得する流れの例をご紹介します。

2024年4月【理容科入学】

昼間・夜間理容課程(2年間)

2025年3月【理容師国家試験受験】
2026年4月【合格・理容師免許取得】

昼間・夜間美容課程(1年間)

2026年3月【美容師国家試験受験】
2027年4月【合格・美容師免許取得】
 
→3年後にダブルライセンス取得!

ダブルライセンスのメリットは?

ダブルライセンスを取得するメリットは主に3つです。

●専門知識が増える
理容課程であればシェービング(顔そり・髭そり)、美容課程であればヘアメイクや着付けなどの専門分野があります。
共通課目が多い資格同士ではあるものの、それぞれの専門知識を保有していることが客観的に判断できる国家資格を保有していることは大きなメリットです。


活躍の場が広がる
理容師と美容師のダブルライセンスがあれば、シェービング(顔そり・髭そり)を提供する理容室でも、ヘアメイクや着付けを行う結婚式場でも知識やスキルを活かすことができます。
すでに一方の資格で経験を積んだ方で、異なる分野に挑戦したいと思った方にもおすすめです。

お客様から信頼される
理容師・美容師のダブルライセンスがあることで、カット、カラーリング、パーマ、シェービング(顔そり・髭そり)、ヘアメイク、着付けなど、容姿を整え美しくするための全てを任せられるというお客様からの信頼にもつながります。

理容師の就職先

理容師の主な就職先は、以下の通りです。

● 理容室
● 美容室
● シェービング専門サロン
● 病院・福祉施設(高齢者施設・障害者施設など)
● 訪問理容サービスを提供する企業

理容師の就職先として「床屋」といわれる「理容室」を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、理容師でも美容室で働いたり、病院や福祉施設に併設される理容室で「ケア理容師」として働くこともあります。

詳しくみていきましょう。

理容室

理容師は、理容所の届出を行い、確認を受けた理容所でしか、理容を行うことができないとされています。

よって、理容師として働く場合は、多くの場合理容室に就職することとなるでしょう。

理容室の利用者は男性が多く、主にヘアカットやシェービングを行います。

また、最近では1000円カット等のクイックカットサービス店に就職するという選択肢もあります。

理容室には、大手企業が運営するチェーン店舗もあれば、個人経営で地域のお客様向けに経営している店舗もあり、働き方や環境、キャリアなどはさまざまです。

美容室

美容室で働く場合は、理容師だけでなく美容師の免許も取得する必要があります。

美容室では、シェービングをサービスとして提供することはできませんが、「容姿を美しくすること」を目的として、よりデザイン性の高いカット、カラーリング、パーマ、ヘアメイクなどのスキルを身につけられます。

また、理容師と美容師のダブルライセンスを保有していれば、理容所と美容所を兼ねたサロンでも働くことができます。

(理容師と美容師双方の資格を保有している者しか従事できません)

参考:○理容所と美容所の同一場所での開設(重複開設)に関すること|東京都保健医療局

この場合は、理容師の専門スキルであるシェービング(顔そり・髭そり)と、美容師の専門スキルであるデザイン性の高いヘアメイクや着付けなどのサービスを幅広く提供でき、業務の幅も大きく広がるでしょう。

シェービング専門サロン

シェービング専門サロンとは、主にシェービング(顔そり・髭そり)を提供するサロンです。

中には顔だけでなく、首・背中・腕・デコルテ・ヒップなど全身のシェービングやボディトリートメントなどのサービスを提供するサロンもあります。

最近では、男性の髭そりだけでなく、女性の産毛そりや、肌のトリートメント・エステなどを合わせて女性専用サロンもあり、今後も高い需要が期待できるでしょう。

全身のシェービングを行うサロンにおいても、顔そりに関しては理容師資格保有者にしか行えません。

病院・福祉施設(高齢者施設・障害者施設など)

病院や福祉施設に併設されており、入院患者や施設利用者に対して理容サービスを提供する理容室に就職するという選択肢もあります。

カットやシェービングだけではなく、がん治療で髪の毛が抜けてしまった方へのウィッグの販売、お手入れなどを行うことも。

高齢者や障害者の方へ理容サービスを提供する場合は、より身体状況や障害の特性に関する専門的な知識や技術を証明する「認定福祉利用介護士」「福祉理美容師」「ケア理容師」などの資格を取得すれば、よりお客様やご家族の信頼も得られるでしょう。

詳しくはこちら⇩

認定福祉理容・美容介護師(R)|特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会

福祉理美容士とは|認証NPO法人 日本理美容福祉協会

ケア理容師|全国理容生活衛生同業組合連合会

訪問理容サービスを提供する企業

訪問理容サービスとは、高齢者や障害、病気などの理由で理容室まで赴くことが難しい方のために、自宅、病院、施設に訪問してヘアカットやシェービングなどを提供するサービスです。

訪問理容では、通常の理容室やサロンで働くときとは異なり、お客様の健康状態や判断能力を把握し、安全に短時間で施術を行うことが求められます。

理容室や美容室のように、施術スペースがもとから確保されているわけではないため、セッティングから自分で行い、完成イメージについてもカタログなどを参考にわかりやすく擦り合わせる必要があります。 福祉や介護、医療の現場に興味がある方にはおすすめの就職先です。

理容師の年収

理容師の年収は、全国平均で約330万円程度となっています。

年齢別でみると、新卒の年齢である20〜24歳では約259万円、最も年収が高いのは45〜49歳で約404万円です。

参考:理容師|job tag(職業情報提供サイト)

国税庁による「令和4年度分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は457万6000円であったため、理容師の年収は平均を下回る金額となっています。

理容師の現状と今後の需要は?

理容師数は1971年の約26.7万人をピークに年々減少しており、2022年の報告では約20.4万人となっています。

理容所数も同様に減少が続いており、1995年には約14.2万施設でしたが、2022年は約11.2万施設となりました。

一方で、美容所数・美容師数は年々増加を続けており、理容所数・理容師数のそれぞれ2倍以上です。

男性・女性問わずおしゃれや美しさへの意識が高まり、美容室のニーズが増加していることに加え、従来グレーゾーンとなっていた「化粧に付随した軽い程度の髭そり」が美容師でも行えるとされるなど、理容師業務の独占性が薄まっていることが原因だと考えられます。

ただし、逆手に取れば若手理容師は人材として貴重であり、女性のシェービング需要も高まっていることから、多くの人が美容師を目指す中で理容師資格を持っているという差別化ができるというチャンスもあるでしょう。

上述のように、理容と福祉を掛け合わせた訪問理容や、施設・病院での理容など、高齢者や障がい者に特化した利用サービスの需要も増えると考えられます。

理容師、美容師など同じ資格を持っていても、働く環境や働き方の選択次第で活躍の幅を広げることができるでしょう。

理容師国家試験の合格率は?難易度は高い?

理容師国家試験の合格率は、春期で約80〜85%、秋季で約60〜70%程度を推移しています。

ただし近年、理容師国家試験の受験者数は1,000人前後と母数が少ないため、変動は大きくなっています。

実施回受験者数合格者数合格率
第48回(令和5年度)883人653人74.0%
第47回(令和4年度)1,305人1,048人80.3%
第46回(令和4年度)770人549人71.3%
第45回(令和3年度)1,289人1,096人85.0%
第44回(令和3年度)752人482人64.1%
第43回(令和2年度)1,188人992人83.5%
第43回(令和2年度)866人613人70.8%

国家試験の難易度は、それぞれ受験資格や受験者数が異なるため、合格率で一概に判断することはできません。

そこで、国家資格の難易度を偏差値で測る国家資格難易度ランキングによると、理容師は美容師と同様の難易度で「簡単」に分類される資格です。

偏差値が同様の国家資格としては、調理師、作業療法士、はり師、あん摩マッサージ指圧師が挙げられます。

理容師になるには?

理容師の資格を取得し、理容師として働くまでのルートは以下の通りです。

1. 養成施設に通う
. 国家試験に合格する
. 免許を受ける

順番にみていきましょう。

1.養成施設に通う

理容師になるには、理容師国家試験に合格する必要がありますが、国家試験の受験資格を得るには、都道府県知事が指定する理容師養成施設に通う必要があります。

理容師の受験資格を得るには、以下の過程を修了する必要があります。

  • 昼間過程 2年以上
  • 夜間過程 2年以上
  • 通信過程 3年以上

理容師養成施設は、以下から確認可能です。

養成施設一覧|公益財団法人 日本理容美容教育センター

2.国家試験に合格する

理容師養成施設にて、厚生労働省が定める課程を修了し卒業すると、国家試験の受験資格が得られます(卒業見込みも含む)。

国家試験は、実技試験→筆記試験の順に行われ、年に2回(8,9月と2,3月)実施されます。

国家試験の願書受付期間は、それぞれ5月または11月の上旬から下旬です。

試験の内容や合格基準については、後段の理容師国家試験についてにて詳しく解説しています。

3.免許を受ける

実技試験と筆記試験の合格基準を満たし、理容師国家試験に合格したら、試験実施期間を通じて申請を行い、厚生労働省の理容師名簿に登録し免許を受けなければなりません。

手続きに必要な書類等は、試験合格通知と合わせて郵送される書類をご参照ください。

主な必要書類は、以下の通りです。

  • 理容師免許申請書
  • 戸籍抄(謄)本又は本籍が記載されている住民票
  • 登録手数料5,200円の払込済の「振替払込請求書兼受領証」
  • 収入印紙9,000円分(免許登録における登録免許税)
  • 精神の機能の障害に関する医師の診断書

免許証は、試験実施期間が簡易書留にて受付後、約2〜4週間で郵送されます。 ここまでの試験、手続きを経て、晴れて理容師として働くことができます。

理容師国家試験について

理容師国家試験は、実技試験と筆記試験に分かれており、年に2回(8,9月、2,3月)実施されます。

理容師国家試験の実施概要や、試験の内容について、詳しくみていきましょう。

理容師国家試験の概要

試験日※2023年度

試験日①
【実技試験】2023年8月1日(火)※例年8月上旬
【筆記試験】2023年9月3日(日)※例年9月上旬

試験日②
【実技試験】2024年2月1日(木)※例年2月上旬
【筆記試験】2024年3月3日(日)※例年3月上旬
試験会場【実技試験】
40都道府県(秋田県、岐阜県、滋賀県、香川県、長崎県、大分県、宮崎県を除く各都道府県)

【筆記試験】
16都道府県(北海道、岩手県、宮城県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、大阪府、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)
試験時間【実技試験】
カッティングの準備(7分間)
カッティング試験(25分間)
毛払い(2分間)
シェービング・顔面処置及び整髪の準備(7分間)
シェービング及び顔面処置試験(15分間)
整髪試験(5分間)
毛払い・顔面拭き取り(2時間)

【筆記試験】
13:20〜15:00(100分間)
※12:50までに入室
受験資格厚生労働大臣または都道府県知事の指定した理容師養成施設に平成10年4月以降に入学し、所定の課程(以下)を修めた者。
●昼間課程:2年以上
●夜間課程:2年以上
●通信課程:3年以上

厚生労働大臣または都道府県知事の指定した理容師養成施設に平成10年3月31日以前に入学し、所定の課程(以下)を修めた後、平成14年3月31日までに1年以上の実地習練を行った者。
●昼間課程:1年以上
●夜間課程:1年4ヶ月以上
●通信課程:2年以上
受験申込期間試験日①
5月上旬〜下旬

試験日②
11月上旬〜下旬
受験申込方法郵送またはインターネット
受験申し込み手続き|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
受験手数料25,000円(実技・筆記両方)
※どちらか一方の場合は12,500円
筆記試験の試験形式マークシート形式(四肢択一式)
配点、出題数【実技試験】
カッティング:40点
シェービング及び顔面処置:20点
整髪:10点
仕上がり状態:30点

【筆記試験】
55問
合格基準【実技試験】
(1)及び(2)の両方の条件を満たしている場合
(1)衛生上の取扱試験:減点が20点以下であること
(2)基礎的技術試験:減点が40点以下であること

【筆記試験】
全55問中60%以上の正答率であること
合格発表日試験日①
9月下旬

試験日②
3月下旬

理容師試験のスケジュール

試験日①(秋期)
5月上旬〜下旬:願書受付
8月上旬:実技試験
9月上旬:筆記試験
9月下旬:合格発表
試験日②(春
11月上旬〜下旬:願書受付
2月上旬:実技試験
3月上旬:筆記試験
3月下旬:合格発表

実技試験の内容

理容師国家試験では、筆記試験に先立って実技試験が実施されます。

実技試験では、標準仕様に適合したモデルウィッグと、用具や衛生用品などを持参し、準備、カッティング、シェービング、整髪・仕上げまで複数の項目が審査されます。

実技試験の流れと作業時間は以下の通りです。

【試験の流れと作業時間】

1. モデルウィッグの審査
. カッティングの準備【7分間】
. カッティング試験【25分間】
  (基礎刈・仕上げ刈:20分間、セニングカット:5分間)
. 毛払い【2分間】
. シェービング・顔面処置及び整髪の準備【7分間】
. シェービング及び顔面処置試験【15分間】
. 整髪試験【5分間】
. 毛払い・顔面拭き取り【2分間】
9. 仕上がり審査【2分間】仕上がり審査

それぞれの作業において、大きく分けて技術面(基礎的技術試験)衛生面(衛生上の取扱試験)の2つの観点から、減点方式により審査されます。

合格基準は、以下の2つの条件を両方満たしていることです。

(1)衛生上の取扱試験:減点が20点以下であること

(2)基礎的技術試験:減点が40点以下であること

理容師実技試験の審査基準については、試験実施団体が資料として公開しています。

詳しくは以下をご確認ください。

理容師実技試験審査マニュアル|公益財産法人 理容師美容師試験研修センター

筆記試験の内容

筆記試験はマークシート形式の四肢択一式で、55出題されます。試験時間は100分間です。

試験課目全7課目5分野に分けて出題され、5分野のうち4分野は美容師と共通問題です。

【筆記試験7課目】

  1. 関係法規・制度
  2. 衛生管理
  3. 保健
  4. 香粧品化学
  5. 文化論
  6. 理容技術理論
  7. 運営管理

7課目を5分野に分類し、以下の出題数にて出題されます。

分野名重点項目出題数
関連法規・制度
及び運営管理
①関連法規・制度
 ● 理容師法
 ● 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律
 ● 保健所の役割
 ● 衛生行政
 ● 政策金融の意義と仕組み
 ● 消費者保護の仕組み
②運営管理
10問
衛生管理①公衆衛生
②感染症
③衛生管理技術
15問
保健①人体の構造及び機能
②皮膚科学
10問
香粧品化学従来の理容の物理化学のうちの香粧品化学5問
文化論及び
理容技術理論
①理容技術理論
 ● 理容技術理論
 ● 理容器具
 ● 色彩及びデザイン
②文化論
15問
合計 55

理容師国家試験の過去問

理容師試験のイメージを掴むために、過去問の出題例を見ていきましょう。

理容師実技試験の過去問

理容師試験の実技試験は、基本的に毎年同様の課題で行われます。

大きく分けて実技中の衛生面を審査する「衛生上の取扱試験」とカットやシェービングの技術面を審査する「基礎的技術試験」の2つの観点から審査されます。

流れは前段で解説した通りカッティング、シェービング、整髪、仕上げという形で進み、所要時間は1時間程度です。

実技試験に関しては、それぞれの審査基準が試験実施団体の公式HPにて公開されているため、熟読し、参考しましょう。

衛生上の取扱試験審査マニュアル

理容師実技試験審査マニュアル

理容師筆記試験の過去問

理容師試験の筆記試験は、7課目5分野が出題されます。四肢択一式と、マークシート形式での回答にも慣れておく必要があるでしょう。

「関連法規・制度及び運営管理」分野

出典:第49回(令和5年度)理容師国家試験-問題3、問題8

「衛生管理」分野

出典:第49回(令和5年度)理容師国家試験-問題13、問22

「衛生管理」分野

出典:第49回(令和5年度)理容師国家試験-問題13、問22

「保健」分野

出典:第49回(令和5年度)理容師国家試験-問題27、問34

「香粧品化学」分野

出典:第49回(令和5年度)理容師国家試験-問題37、問40

「文化論及び理容技術理論」分野

出典:第49回(令和5年度)理容師国家試験-問題44、問53

理容師試験は、過去問演習を行えば出題傾向をある程度掴むことができます。

四肢択一でマークシート形式ということもあり、合格にはその試験方式や出題傾向に慣れていくことが筆記試験合格への近道です。

多くの方は養成施設での対策や講義などをもとに過去問演習等を行うかと思いますが、アプリやWebサイト、一問一答などでスキマ時間を活用すればより効率よく試験対策を進められるでしょう。

社労士試験の受験を考えられている方は、ぜひ一度お試しください。

理容師国家試験の過去問演習には過去問研究所@Candyzがおすすめ!

スキマ時間を活用して、手軽に本格的な過去問演習を行うなら「理容師過去問研究所@Candyz」がおすすめです。

理容師国家試験の過去問掲載サイトや解答解説サイトは多く見られますが、Gakkenが運営する「理容師過去問研究所@Candyz」は、試験実施団体へ許諾をとり、著作権法を遵守した唯一の過去問学習サイトです。

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理容師国家資格まとめ

理容師の仕事内容や国家試験について、美容師と比較しながら詳しく解説してきました。

理容師人口や受験者数は年々減少傾向にはありますが、美容師資格とダブルライセンスを取得して独自のサービスを提供したり、介護や医療の現場で活躍したりと、キャリア設計によって十分将来性を確保できると考えられます。

理容師と美容師は国家試験でも共通問題が多く、法改正によりダブルライセンスをより短期間で取得できるようにもなりました。

働きながらでもスマホやタブレットでの学習を活用して効率よく試験対策を行うことが可能です。

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